2015年2月26日木曜日

学生紹介:中内友紀恵(修士2年)





お名前と作品名を教えてください。

I'm here」を制作しました、中内友紀恵です。

[web] http://nakauchiyukie.hacca.jp/
[twitter] @yk1021


本専攻に入る前はどんなことをされていましたか?
 また、なぜ本専攻に入ろうと思いましたか?

中学・高校は吹奏楽部の活動に熱中していました。もうやりたくない!というくらいまでやったので、吹奏楽はきっぱりと止め、漠然と将来はデザインの仕事に就きたいと思い1年の浪人後多摩美のグラフィックデザイン学科に入学しました。
でもそこで出会ったアニメーションの授業が面白くて、気がついたらデザインではなくアニメーションを専攻していました。始めたならとことんやってみたかったし、面白そうな人が集まりそうだな〜という予感があったので、本専攻に進学しました。





本作品を作ったきっかけを教えてください。

何かを表現したいときの悶々としたエネルギーや、出口の見えない苦しさ、やっと何かに届いたときの喜びとか...そういう制作する人の苦しみや生き方を肯定したり、許したりするような作品が作りたいと思い制作をはじめました。




制作プロセスを教えてください。

私は音楽がないと映像を作れない質なので、まずはじめに作曲者を探しました。アニメーション専攻は毎年音楽環境創造科(以下音環)の学生とコラボレーションして作品を制作する流れがあるのですが、今年は修士2年の上水樽力さんとタッグを組み共同監督という形をとりました。

4月から月に1回、多いときで2回?の頻度で直接合って話し合うことを繰り返し、映像と音楽の制作を平行して進めました。お互いにとっての修了制作というところもあって、はじめは慎重にならざるをえない部分が多くて中々思うように進みませんでしたが、互いが意見を交換するうちにだんだんとチューニングが合ってくるというか、いい意味でずけずけ言い合えるようになってきたというか...笑 ハマるポイントが分かるようになってきて、何とか形になりました。上水樽さんは私の言葉ひとつひとつのニュアンスを凄く丁寧に拾って考えて下さる方なので、私もいいかげんなことを言わないようにしなくては...!と思っていました。本当に言葉ってのは難しいです...

あと上水樽さんはスコット・ブラッドリー(トムとジェリーの音楽をつくった作曲家)の研究者でいらしたので、そういったカートゥーンの音合わせの手法を使おうとか、私は以前から描いていた幾何図形のモチーフを使おうとか、互いが得意とするものを使っていこうという流れを大切にして、迷ったらそこに帰ってくるようにしていました。

ご覧頂くと分かると思うのですが、「映像を作った上で音楽を後から当てたパート」「音楽を作った上で映像を後から当てたパート」など、音と映像の関係性を変えながら進行する作品になっています。見終わった後にその関係性について考えてもらえるとより楽しめるのではないかと思います。音環の修了展HPで作曲者・上水樽さんの今作に関するインタビューが読めますので、あわせてご覧下さい。
 http://www.onkan2015.com/blog/2015/2/3/no25

今回の作品、演奏者17名は皆芸大生(又は芸大OB)という最強メンバーであり...録音・ミキシングを担当して下さった同じく音環の蓮尾美沙希さん、辻かよ子さんの仕事ぶりも素晴らしく、私は自分の作品というよりも「I'm here」チームの一員に入れてもらった気分です。凄く居心地のいい環境で制作ができ、ありがたかったです。是非観に・聴きにいらして下さい!


 


今回、何を一番重視して制作しましたか?

自分の精神面を崩さないことです。追い込まれないように、無理をしないように。でも負けないように。人の悪口を(なるべく)言わないように...嘘をつかないように...


 


制作の合間にしていた気分転換は何ですか?

ひとつのことに集中していると、それがうまくいっている間はいいのですが、いざ行き詰まってしまうととたんに病んでしまうので...他にいくつかの制作を平行させつつ、悩んだら別のことを進めるというふうに、なるべく手を止めないようにしました。万が一全てに行き詰まったら、ダメもとでも手を動かしてみるとか。あとカラオケとぷよぷよです。


在学中で一番印象に残った出来事は何ですか?

締め切りが近づくとみんな仮眠をするのでほぼ同期全員の寝相を知っているのですが、それぞれ個性があって愛らしいことです。





中内友紀恵さんの作品「I'm here」は横浜・東京会場共に「第六期生修了作品」プログラムにて上映いたします。

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